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切符

数日前、帰りの電車の中で

お子さんを2人連れたお父さんと乗り合わせました。

小学校1年生ぐらいの息子さんと
お父さんにそっくりな4才くらいのかわいい娘さん。

お父さんのひざの上に、娘さん。
となりにお兄ちゃんが座り、3人で仲良くお話していました。


あとひとつで降りるからね。とお父さんが言うと

「じゃあ、切符だしておこうっと」

お兄ちゃんがポケットから切符を出して
ちゃんと持ってるよ~!という風に得意気にお父さんに見せました。

うわっ!かわいいなぁ~。
私はつい、ニヤリとしてしまいました。


「なくさないように持っているんだよ。」

お父さんの忠告に、お兄ちゃんは「うん!」と力強く答えて、
小さな手で切符を握り締めました。


すると・・・

「あ、そうだ。切符をなくしてしまったらどうすればいいか、わかる人~!」

お父さんから2人に質問。

「知らな~い」
2人同時に答えが返ってきました。(笑)

お父さんはゆっくりと優しい口調で語りだしました。

「改札口に、駅員さんがいるでしょう?そこで切符をなくしてしまったんです。ごめんなさい。
と、正直に言えばいいんだよ。そうすれば、切符がなくてもだいたい通してくれるから大丈夫。
だから、なくしちゃったことを隠さないでちゃんと言おうね。どこから乗ってきたの?って
聞かれることもあるから、どこの駅から乗ったのか、言えるともっといいな~。」

2人はちょっと緊張した面持ちでうなづいていました。


子供なりに理解しているのだなあ・・・と思うと
その緊張した2人の顔も、なんだかかわいかった・・・・。


久しく切符なんて買っていないけれど、

お父さんが、スイカを持たせずに切符を買うことで、
子供達は新しいことを覚えたんだろうなあ・・・。

そう思うと、やっぱり便利だけを追求する世の中は
味気ない気がします。

ものをなくさないようにすること。
嘘をつかずに、謝るということが大切ということ。


お父さんは、1枚の切符で子供達にとても大事なことを教えていたのです。


なんだか深くて・・・心温まる親子模様でした。
by zakkanobrass | 2012-04-26 17:31 | ヘナチョコ日記(日々徒然)

台東区小島の小さな雑貨店


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